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2022/12/23

【レポート】『UMITO NARIWAIワークショップ』第1弾浜中漁協・厚岸漁協・昆布森漁協20〜30代漁業者・漁協職員16名が参加、漁業者・漁協職員が漁業や浜の課題に向き合う

11月26日(土)に北海道ぎょれん釧路支店にて『UMITO NARIWAIワークショップ』を浜中漁協・厚岸漁協・昆布森漁協の漁業者・漁協職員向けに開催しました。当日は20〜30代のこんぶ・うに養殖・かき養殖漁業などに従事する漁業者が参加し、消費動向や市場動向をセミナーで学んだ後に、それぞれの漁業や浜の目指したい未来と課題について話し合いました。

「UMITO NARIWAI ワークショップ」の概要と目的:

漁業者や漁協職員からのヒアリングをもとに、UMITO Partnersのスタッフが各漁業・漁協に合わせてワークショップ内容を設定し、基礎編2回と応用編1回で構成される全3回の参加型ワークショップです。消費動向や市場動向を学び、理想の漁業と現状のギャップについて考える機会を持つことで、各漁業現場での具体的な課題やそれに対する対策、必要なリソースを明らかにし、必要なリソースと繋がる機会を提供します。今回は第1弾として、浜中漁業協同組合、厚岸漁業協同組合、昆布森漁業協同組合に所属する漁業者、漁協職員を対象に基礎編2回を予定しており、11月26日(土)に第1回目を実施しました。

■プログラム:

・未来を見据えた漁業についての事例紹介
・消費動向と市場動向を知る
・自分の浜の現状を知る
・理想の漁業、浜の姿を描く
・現状の漁業の課題を明らかにする

■レポート

●他の浜や漁業の取り組みへの関心
未来を見据えた漁業の実例として、UMITO Partnersが支援する「北海道苫前町ミズダコ樽流し漁業改善プロジェクト」や、レストランとのコラボレーション、水産物のトレーサビリティシステム「OCEAN TO TABLE」等の紹介を行いました。漁業者からは「漁協と産地仲買人、漁業者の間でどのような協議を行ったのか」、「漁業者が得る収益にはどのような変化が起きたのか」などの質問が上がり、他の浜や漁業の取り組みへの強い関心と、漁協と産地仲買人、漁業者が三方良しの漁業を行うために何ができるのかを考えたいという想いが伺われました。

●自分の浜の現状を知る・理想の漁業と浜の姿を描く
次に、浜中漁協、厚岸漁協、昆布森漁協に分かれて、グループワークを行いました。事前に各漁協から提供された情報等から魚種別水揚げ量・取引価格、消費者への販売価格、資源状態等が可視化された資料を用い、浜の現状を客観的に確認した後に、各自が考える理想の漁業・浜の姿について、意見を出し合いました。

<環境>
・安定した資源の確保
・ゴミのない綺麗な浜にしたい

<経済>
・安定した収入
・収益が得られる漁業
・通年続けられ、一つの漁法に専念できる漁業
・特定の魚種の単価をあげたい
・昆布の消費を増やしたい
・経済的なストレスを感じない漁業

<社会・仕組み>
・若者に憧れられ、後継者が増え続ける漁業
・未経験者が新規参入しやすい漁業
・海洋レジャー等を活かして一般の方の漁業
・海への関心を高めたい
・「昆布森」、「浜中」という場所の認知度をあげたい
・身体への負担・リスクが少ない漁業

参加者それぞれが持つ理想の浜や漁業の姿を真剣に話し合う時間は、活発でエネルギーに満ちたものでした。環境・社会・経済の各側面で、充実した漁業を続けていきたいという想いが参加者の言葉から感じられました。

現状の漁業の課題を明らかにする
理想の漁業と浜の姿を踏まえて、現状の漁業の課題や課題解決に向けた取り組みについて漁協ごとに意見を出し合いました。水産資源の管理について重要性を感じている参加者が多く、高い関心が集まりました。そういった取り組みをどのようにブランド化し、発信すれば良いのかわからないと感じている参加者も多くみられました。一方で、後継者のためのシステム作りや、養殖業の機械化など漁業を行う上での課題についても意見が上がりました。

<課題>
・安定した資源の確保
・海洋環境の変化に伴う赤潮の発生による影響
・海面利用の制限
・世代による考え方の違い
・漁業操業に伴う身体的な負担やリスク
・観光客に地域の水産物を食べてもらう場所がない
・観光客向け宿泊施設が少なく、地域に滞在してもらうことができない
・ブランディング、情報発信の仕方がわからない

<解決策>
・水産資源の管理・保護を行う
・魚価を上げる
・地元水産物を購入できる場所を作る
・宣伝力を上げる
・養殖事業を拡大する
・水産物のブランド化を通じて水産物、地域の宣伝をする
・漁師の知っている美味しい魚の食べ方などをSNSで発信する
・未経験者が就業しやすいシステムを作る
・機械化の推進による身体への負担を軽減する
・地元企業との連携による観光業の推進を行う
・地域全体を表すブランドを作り、10〜30代に向けたPRを行う

 
■参加者コメント

事後アンケートでは「自分や地域の漁業/漁協の業務にプラスになる情報」、「日頃から感じていた漁業の課題解決につながる情報・アイディア」が得られたという感想が多く寄せられ、アンケート回答者の80%の方にワークショップの内容についてご満足いただけました。今後への期待として「漁業者、漁協、産地仲買人の良いバランスが知りたい」、「具体的な課題解決の方向性が知りたい」、「消費者が求める水産物や販売ルートを知りたい」などの意見がありました。

今回のワークショップを踏まえた1月に開催する基礎編2では、課題の具体的な解決策と必要なリソースの特定を行う予定です。

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