【レポート】インドネシアのマングローブ保全xサステナブル漁業を視察


2025年2月17〜18日、UMITO Partners代表の村上と事業開発・営業部の岩本がインドネシアのマングローブ保全と、マングローブに棲むノコギリザガミなどのサステナブル漁業の取り組みを共に推進する活動を視察しました。
マングローブが育む恵み
マングローブは、熱帯・亜熱帯の沿岸域で海水と淡水が交わる汽水域に自生する植物で、日本では鹿児島県の南部と沖縄県にのみ分布します。成長が早いため、成長の過程で多くの炭素を吸収することからブルーカーボン生態系の中でも重要視されています。また、東南アジアなどでは家具や家屋のための材木、炭を作る原料として利用されるほか、津波や波浪から陸地を守ってくれる役割をもち、さらに陸上・水中の多くの生き物の生息地としても重要な役割を担っています。
一方で、人間の活動も集中しやすい陸と海の境界地域に生息するため、開発などの影響も多く受けており、気候変動の進行なども加わり世界各地で消失しています。
インドネシアには、世界のマングローブ林の23%が分布、また92種(※1)が生息しているとされ、世界で最も豊かなマングローブ林を保有しています。
今回の視察
今回の視察では、インドネシアのカリマンタン島西部のカンデリア地域で現地法人が取り組む「マングローブ保全xサステナブル漁業」の活動を視察しました。カンデリアには、海と繋がる大きな川沿いに27種の広大なマングローブ林が広がり、そこに魚、甲殻類、貝、クロコダイル、猿など多様な生物が生息しています。また、川沿いには川の上に建てられた高床式の住居からなる村が各所に形成され、住民たちは豊かな自然の恩恵を受けて生活しています。
この地域では、マングローブを伐採して生産する炭作りが伝統的に行われてきましたが、サステナブルな漁業に転換する取り組みが進められています。マングローブ生態系に棲むノコギリザガミ(現地ではMad Crabと呼ばれる)は、国内外で高級食材として人気の水産物なため、ノコギリザガミの資源管理とノコギリザガミが育つマングローブ保全を地域住民に共に取り組んでもらい、マングローブも水産資源も地域住民の生業もサステナブルにしようという取り組みです。
UMITO Partnersでは、今後も現地パートナーと連携の上、この取り組みを応援・支援していく予定です。

※1 World Bank Group (2021) “Mangrove Conservation and Restoration: Protecting Indonesia’s “Climate Guardians””
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