レポート
シーフードショーで「沖合海藻養殖と持続可能な漁村のあり方と可能性」セミナーを共同開催

2026年8月21日、東京ビッグサイトで開催された「第28回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて、一般社団法人大日本水産会、株式会社オーシャンアイズ、株式会社UMITO Partnersの3者共同主催によるセミナー「沖合海藻養殖と持続可能な漁村のあり方と可能性―地域・技術・市場をつなぐ事業化の条件―」を開催しました。
本セミナーでは、日本ではまだほとんど行われていない沖合での大規模海藻養殖について、研究、生産技術、種苗、ブルーカーボン、加工・市場など、さまざまな観点からその可能性と事業化に向けた課題を議論しました。
海藻をめぐる歴史と、沖合養殖の可能性

基調講演では、水産研究・教育機構の堀正和氏から、日本における海藻利用の歴史や、海藻によるCO₂吸収・貯留に着目したブルーカーボン、沖合で大規模に生産した海藻を利用するMarine CDR(海洋を活用した二酸化炭素除去)など、海藻の新たな可能性が紹介されました。
現場で進む実証と、世界の事例

KAISO BANK代表の伊藤敏朗氏からは、KAISO BANKコンソーシアムの取り組みとして、全国5つの漁港で進めている8種類の海藻の種苗生産について、食害対策、海藻カートリッジを活用した移植など、実証事例が紹介されました。
また、実証では供給量を上回る申し込みがあり、種苗を待つ地域が多いことも紹介され、地域ごとに異なるニーズを捉えることや、現地の種苗を活用して遺伝的な攪乱を避けることの重要性も指摘されました。

理研食品株式会社の佐藤陽一氏からは、直近15年ほど自社の原料確保のために取り組んできたワカメの種苗生産や、福島国際研究教育機構と連携して進める大規模養殖技術、ブルーカーボンのポテンシャルに関する研究成果が紹介されました。
また、韓国のワカメや中国のコンブなど、大規模海藻養殖の事例も紹介され、機械化・自動化が進み、日本とは生産規模に大きな差があることが示されました。
事業化に向けた課題と、地域に生み出す価値
後半のパネルディスカッションでは、弊社代表の村上春二がファシリテーターを務め、沖合海藻養殖の事業化に向けた条件について議論しました。
食害や栄養塩、高水温、種苗など生産面の課題に加え、ブルーカーボン、食用・素材利用、漁業者の新たな収入源、「海業」との連携、生物多様性への貢献など、多面的な価値を地域の産業や経済にどう結びつけるかについて意見が交わされました。
素材利用を広げるうえでは、海藻に含まれる水分や塩分が加工上の課題となるため、加工事業者との連携の必要性が指摘されました。また、ブルーカーボンだけに依存せず、食用や素材利用なども組み合わせて事業性を高めていくカスケード利用(多段階利用)の視点が共有されました。
会場は多くの参加者で埋まり、質疑応答でも多くの質問が寄せられるなど、沖合海藻養殖への高い関心がうかがえました。
UMITO Partnersでは今後も、海洋環境、地域、技術、市場をつなぎながら、海の自然資本の回復と持続可能な地域産業を両立する仕組みづくりに取り組んでまいります。
開催概要
- 日時: 2026年8月21日 10:30〜12:30
- 場所: 東京ビッグサイト 東館2・3ホール セミナーC会場
- テーマ: 沖合海藻養殖と持続可能な漁村のあり方と可能性―地域・技術・市場をつなぐ事業化の条件―
- 主催: 一般社団法人大日本水産会 / 株式会社オーシャンアイズ / 株式会社UMITO Partners
- 登壇者: 水産研究・教育機構 堀正和氏 / KAISO BANK代表・三省水工株式会社 伊藤敏朗氏 / 理研食品株式会社 佐藤陽一氏
- ファシリテーター: 株式会社UMITO Partners 代表取締役 村上春二
メディア掲載
2026/08/25 中・韓・米で海藻生産拡大 日本、沖合養殖事業化を シ-フードショーセミナー(日刊水産経済新聞 )
2026/09/07 沖合海藻養殖の可能性追求 大日本水産会など生産安定化へ事例紹介(みなと新聞)
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