なぜ今、海洋インパクト投資なのか

─世界で加速するブルーエコノミーと、“未開拓領域”とされる日本の可能性

SIIF(社会変革推進財団)雲 雄太 × UMITO Partners 村上春二

SIIF(社会変革推進財団)雲 雄太
×
UMITO Partners 村上春二

2026/04/27
Text : 石田エリ
読了時間:7分

海洋の危機を前に、今、世界で加速する海洋投資。欧米では100億円規模の海洋インパクトファンドが相次いで立ち上がる一方で、日本は高いポテンシャルを持ちながらも、依然として「未開拓の領域」にあります。こうした中、UMITO Partnersは、国際VCのBeyond Impactとの協働で、海洋特化型インパクトファンド「Blue Frontier Fund(BFF)」を企画しています。

日本のブルーファイナンスはなぜ進まないのか──日本のインパクト投資を牽引するSIIF(社会変革推進財団)の雲 雄太氏とともに、評価基準の不在、補助金依存、人材流出といった構造的課題を検証し、BFFが目指す新たな海洋経済「New Blue Economy」の輪郭と勝算を紐解きます。


グローバルで加速する、ブルーファイナンス

──なぜ今、世界の注目が「海」と「金融」に集まっているのでしょうか?

雲:「ブルーファイナンス」「ブルーエコノミー」という言葉自体は、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミット[1]が源流になりますが、本格的に加速したのは、ここ4~5年です。影響として特に大きかったのが、2017年に国連総会で宣言された「オーシャンディケイド(Ocean Decade)―持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」[2]でした。これは、2030年までに持続可能なブルーエコノミーを達成するべく、科学ベースのアプローチを活発化させようというものでもあり、2021年の正式スタートを契機に、ファイナンスにも大きな動きが出てきました。その注目度は、かつてなく高まっていると思います。

村上:加速の背景には、海洋の危機が科学的に明らかになってきたことも大きかったですよね。

雲:そうですね。海洋は地球上で排出されるCO2の約3分の1を吸収しており[3]、 気候変動対策に非常に重要な役割を果たしている。その海洋が、もう限界に近づいていることが科学的にも証明されたのです。

村上:ストックホルム·レジリエンス·センターが提唱している、“守るべき境界線”を示した「プラネタリーバウンダリー」[4]という指標があります。これは、人類が地球上で安全に生活できるレベルを科学的に定義した9つの環境指標のことで、閾値を超えると後戻りができなくなると警笛を鳴らすものでもあります。すでに多くの指標が危険領域に達していましたが、2025年に7つ目となる海洋酸性化が閾値を超えました[5]。CO2の過剰吸収によって海水が酸性化し、サンゴ礁や貝類の炭酸カルシウム形成が困難になることなどから、今、生態系全体に危機的な影響を及ぼしています。

雲:こうした科学的な警告が、国際的な動きを後押ししてきたのです。2022年のCOP15では、生物多様性条約[6]のもと、2030年までに海洋·沿岸域の30%を保護する目標「30by30」が採択されましたし[7]、昨年11月にブラジルで行われたCOP30でも、議長が海洋を森林と並ぶ気候変動対策の重要な対象として言及しました。

村上:そして、認識の高まりによって、必然的に資金を海洋分野に流そうという動きが出てきました。

雲:昨年はCOP30の少し前に、フランス·ニースで開催された国連の海洋会議「UNOC3」[8]で、ブルーファイナンス専用のフォーラムも開かれました。これに向けて、各国の政策・金融セクターが海洋分野の取り組みを加速させたこともあって、その注目度が一気に高まったのだと思います。ですが、こうした流れを作っているのは、やはり欧米なんですよね。既に欧米では海洋スタートアップに対して100億円規模のファンドが複数立ち上がり、投資が活発化していますから。その流れを追って、ようやくアジアでもいくつかファンドが立ち上がろうという動きが出てきている段階です。SIIFも海洋のシステム課題に取り組んでおり、その課題に対する重要な解決策の一手が海洋分野のイノベーションファイナンスと捉えており、アジアでの海洋インパクトVCファンドの設立に携われないかと検討しているところです。

─この機運の中、日本ではどのような動きがあるのでしょうか?

村上: 残念ながら、日本ではまだまとまった資本が海洋分野に流れているとは言えない状況だと思います。洋上風力のような気候変動対策の一環として資金が投じられることはあっても、海洋課題の解決をテーマとした投資はなかなかありませんね。

雲:海洋を対象にしている金融機関や、特定の地域·領域に投資しているケースはあるけれど、海洋に特化したファンドではない。欧米で立ち上がっている海洋ファンドの多くは、インパクトファンド[9]なのです。インパクト投資とは、経済的なリターンと社会的・環境的課題の解決、その両方を意図的に追求する投資手法を意味していますが、私の知る限り、日本にはまだ海洋に特化したインパクトファンドは存在しません。ですが、日本には、スタートアップとして事業化できる土壌が整っていないというだけで、海洋国家に裏打ちされた質の高い研究と技術力はすでに存在している。私は、高いポテンシャルがあると思っています。今こそ、どの領域にどう資本を流していけばよいのか、多様なセクターが課題意識を共有し、連携することができれば世界的にも大きな市場価値を生む可能性は十分にあります。


ブルーファイナンスが進まない日本の“構造的障壁”とは?

─高いポテンシャルがありながらも、日本はなぜ潮流に乗れないのでしょうか?

雲:まず大きな理由として、ガバナンスの難しさと評価の複雑さがあると思います。陸上は区切りが分かりやすく、誰がどこを管理するのかが明確ですよね。この土地は誰のもの、この森林は誰が管理する、と。でも海は広くて、線引きがしづらい。

村上:特に公海[10]は、どの国にも属さないですからね。

雲:まさに、公海はガバナンスの曖昧さを象徴する海域ですが、つい先日「公海の生物多様性を守ろう」という国際協定[11]が発効し、ようやく国際協調を強めて海の課題に取り組んでいこうという段階に来ました。そして評価の複雑さというのは、主に定量的な効果測定(インパクト評価)の難しさです。陸上の場合は、太陽光なら発電量、森林なら面積というように、比較的効果が見えやすいのですが、海の場合は、生態系がどれだけ回復したか、プラスチックをどれだけ減らせたか、その効果がなかなか測りづらいのです。

村上:環境DNA[12]のような測定技術は進化していますが、まだまだ海は未知の部分が多いですしね。

雲:漁業の現場に精通されている村上さんは、この辺りをどのように見ていますか?

村上:私たちもコンサルティングで漁業現場に伴走していると、「サスティナブル漁業に取り組むことで得られる効果をどう評価すればいいのか」という質問はよく受けますね。あと、日本の海洋セクターがシステムチェンジしづらい理由の一つに、資金不足と補助金制度があると思います。地域コミュニティに深く根ざした産業であるがゆえに、外部から参入しづらい構造になってしまっている。それに、補助金で最低限守られていることによって、借り入れや投資を受けて新しい事業に挑戦しようというマインドセットが育ちにくいというのもあると思います。

雲:政策的にも、公的資金のバックアップに力点が置かれていて、民間資金を呼び込む設計がなされていないんですよね。先日、ある造船産業に携わる方からお話を伺ったのですが、造船や船の修理にまつわる産業も、設備の更新に多額の資金が必要で、さらに高齢化で技術継承が厳しくなってきていると。造船業自体、古くから地域の漁業のエコシステムを支えてきたわけですが、やはり政府の補助金は大型船に集中しがちで、民間金融機関もアプローチしづらい状況にあるため、中小事業者にはなかなか資金が流れていかないというお話でした。でも、実際に地域産業を支えているのは、そうした中小のプレイヤーが中心なんですよね。その結果として、地域の産業基盤そのものの崩壊を招いてしまっている。

村上:それに、資金不足はこれからを担う人材を国外に流出させてしまうことにもなりますから。

雲:日本に海洋関連のスタートアップが全くいないのかというとそうではなくて、実際には数百社存在するとみているのですが、やはり事業が軌道に乗るまでの資金の供給が乏しいために、成長の壁にぶつかってしまう。ですから、優秀な日本の起業家たちは、海外でスタートアップを立ち上げ、現地のファンドから資金調達するケースも増えているのです。


課題解決のカギは、国際基準のインパクト評価導入と
エコシステムの再構築

村上:政策もしかり、漁村のメンタリティみたいなものは、すぐには変わらないかもしれませんが、私は逆に投資の文脈なら、まだ手付かずの領域だからこそ中長期的な収益性があると捉えられるんじゃないかと思っているんです。そこに野心的な投資家を呼び込むには、やはりインパクト測定がとても重要になってくる。なので、SIIFさんが取り組まれている国際的なガイダンス「Ocean Impact Navigator[OIN]」[13]を日本版にアップデートして導入しようという試みには、とても希望が持てます。

―OINとは、具体的にどういうものなのでしょうか?

雲:端的にいうと、海洋分野のインパクトを測る「世界共通の物差し」です。もともと「IRIS+」[14]というインパクト測定の国際基準は存在していたのですが、海洋に特化したものがありませんでした。そこで、2022年の国連海洋会議(UNOC)を機に、海洋金融機関の連合体である「One Thousand Ocean Startups」[15]の主導のもと、海洋分野の国際的なガイダンスとして「OIN」の開発が始まったのです。SIIFとしては、日本の海洋スタートアップを世界の投資家に繋ぐための共通言語ツールと位置付け、日本版として実装するための試験導入やルールメイキングを試みているところです。その一環として、昨年試験的にOINのフレームワークを用いて日本の海洋スタートアップ4社に対しインパクト評価を行った際に、UMITO Partnersさんにもご協力をいただきました。

村上:一方で、日本の海洋技術やスタートアップの情報は、言語や法制度の違いもあって海外投資家には理解がしづらく、それも資金調達の障壁になっていました。OINは、その障壁をなくすグローバル市場への架け橋として重要な役割を果たすものだと思いますが、欧米中心に作られた基準なので、日本の実情に即していない部分もあります。これを日本の海洋分野で実装させるには、現場の声を反映させ、より使いやすい基準へとアップデートしていく必要があります。SIIFがこれを担ってくれることで、日本のブルーファイナンスが大きく前進できるのではないかなと。

―SIIFは、なぜUMITO Partnersを、OINのパートナーに選んだのでしょうか?

雲:これまで現場で計測をされてきた実績と、数値化しづらい価値にまで知見をお持ちのUMITO Partnersさんは、海洋スタートアップと漁業現場、両方に通じる“共通言語”を持っている。それに、村上さんは、アメリカの海洋環境NGOでのコンサルティング経験もあって英語も堪能ですが、漁場へ行けば漁師さんとスナックで演歌を熱唱するパーソナリティの持ち主です(笑)。日本でそんな存在は他にはいませんでした。

村上:UMITO Partnersは、まさに海と関わるすべてのステークホルダーの間に立ち、海と人の関係をポジティブにつなぎ直すというパーパスを掲げているので、経験·知見だけでなく、コミュニケーションの部分を評価していただけたというのは、とても嬉しいですね。


現場主義のUMITO Partnersが、ブルーファイナンスに参入する理由

雲:OINの実装とともに、これから日本でもブルーファイナンスのプレイヤーが増えていって欲しいというときに、UMITO Partnersが国際VCのBeyond Impact[16]との協働でVCファンド「Blue Frontier Fund[BFF]」[17]を立ち上げると聞いて、とても期待が膨らみました。村上さんがブルーファイナンスに参入しようと決めた理由を教えていただけますか?

村上:ここまで雲さんがお話しくださった課題は、まさに自分たちも持続可能な漁業のコンサルティングを通じて痛感してきたことでした。UMITO Partnersとしては、「海の課題を解決するためのキーパーソンは漁師である」という考えから、これまで漁業者に伴走するコンサルティングを続けてきて、今もその考えに変わりはないのですが、漁業がサステナブルにシフトするスピードが、海の環境が悪化していくスピードに追いつけないのです。漁師だけでなく、海洋産業全体が根本的にシステムチェンジするためには、資本が流れる通路から開拓して、流れるべきところに繋ぎなおす必要があると思いました。そこで、欧米を拠点に国際的な投資実績を持つBeyond Impactと協働して、海洋課題を直接解決するディープテックへの投資を行うファンドを設計しているところです。現段階では、日本のスタートアップだけでファンドを構成することは難しいので、投資先の2~3割にとどまる見込みですが、日本で少しでも可能性のあるスタートアップが出現すれば、BFFを足がかりとして海外に進出できるようにサポートしますし、逆に海外の優秀な企業を日本に誘致するハブにもなれると思っています。

雲:それこそ、日本には息の長い研究開発(R&D)の歴史があって、質の高い研究成果や特許(IP)が大学や研究機関、大企業に蓄積されている。けれども、それらがディープテックのスタートアップとして社会実装されていないんですよね。仮に、スタートアップが開発した技術を検証しようとしても、先ほどもお話にもあったように、漁業現場に入っていきづらいことで、現場とのコネクションがなく実証実験が行えないという実情もある。

村上:そうなんですよね。その技術が現場でしっかりと機能するかどうかを確かめる相手として、やっぱり漁師とのパートナーシップなくては成り立たないですし、AIやリモートセンシングが進化するほど、ファンドの組成においても現場の経験知がますます重要になってくると思いますね。

雲:これまで縦割りに分断されていたセクター間を、繋ぎなおさなくてはならない。UMITO Partnersのパーパスは、ここでも活きてきますね。

村上:今の社会には、漁業もしかり、海からの恩恵で成り立っているビジネスが、直接的にも間接的にも想像以上にたくさんあります。だからこそ、海に依存しすぎず、海を再生させながら恩恵を受け続けることができるようなイノベーションが必要で、それにはやっぱりデータを取り、把握することから始まるんですよね。海の地形から海況、水質、あらゆるデータを収集することができれば、漁業だけでなく、国防、保険の計算、海運ロジスティクスの安全性向上など、かなり汎用性が高く多岐にわたる産業での活用が見込めます。海は陸より計測が難しいからこそ、計測技術を開発できれば、どんどんスケールしていけるんじゃないかと思っているのです。

雲:確かに、もしかしたらデータ測定の領域も日本がリードできるポテンシャルがあるかもしれませんね。投資家、企業、スタートアップ、研究機関、そして漁業現場を繋ぐ対話の場を設けるなど、互いに協力して日本の海洋分野でエコシステムを再構築していきたいですね。


雲雄太
SIIFインパクト·オフィサー

海洋分野のチームリーダーとしてインパクトエコノミー創出やインパクト投資実践に取り組む。その他、地域活性化やインパクトファンドの運営支援を担当。SIIF参画以前は、大学にてエネルギーシステムに関するネットゼロシナリオ研究や自然資本の価値づけに関する研究に従事。また、東南アジア地域での国際開発業務としてインフラ·PPP(官民連携)事業のアドバイザリーのほか、国内企業の監査業務、IPO 支援コンサルティングなどを経験。フランスの大学院にてMBA および公共政策の修士号を取得。公認会計士。

村上春二
UMITO Partners 代表取締役

サンフランシスコ州立大学にて自然地理学とビジネスを専攻。卒業後は、パタゴニア日本支社での勤務を経て、国際環境NGO Wild Salmon Center日本コーディネーターとしてサケの生態系保護に取り組む。その後、漁業や養殖業の持続可能性向上を支援する国際NGOオーシャン·アウトカムズの設立メンバーとして日本支部長に。2018年に株式会社シーフードレガシーと合併し、取締役副社長·COOに就任。2021年に「ウミとヒトのポジティブな関係をつくる」事業を展開するコンサルティング会社、株式会社UMITO Partnersを設立。

  1. [1]

    リオの地球サミット:1992年にブラジル·リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議。持続可能な開発の概念が国際的に広まる契機となった。

  2. [2]

    オーシャンディケイド:正式名称は「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021-2030)」。2017年12月5日に国連総会で宣言され、2021年1月1日から正式に開始。海洋の健全性回復と持続可能な開発を実現するため、海洋科学と知識の生成を変革することを目指す国際的な取り組み。

    参考:UNESCO. “The UN Decade of Ocean Science for Sustainable Development (2021-2030).”
    https://oceandecade.org/

  3. [3]

    海洋によるCO2吸収:海洋は地球上で排出されるCO2の約3分の1を吸収している。

    出典:Friedlingstein, P., et al. (2023). “Global Carbon Budget 2023.” Earth System Science Data, 15(12), 5301-5369. https://essd.copernicus.org/articles/15/5301/2023/

  4. [4]

    プラネタリーバウンダリー:地球システムの9つの重要なプロセス(気候変動、生物多様性の喪失、土地利用変化、淡水利用、生物地球化学的循環、海洋酸性化、成層圏オゾンの破壊、大気エアロゾルの負荷、新規化学物質)について、人類が安全に活動できる範囲を科学的に定義したもの。ストックホルム·レジリエンス·センターのヨハン·ロックストローム教授らが2009年に提唱。

    参考:https://www.stockholmresilience.org/research/planetary-boundaries.html

  5. [5]

    海洋酸性化の閾値超過:2025年時点で、プラネタリーバウンダリーの9領域のうち7領域(海洋酸性化を含む)が閾値を超えている。

    出典:Potsdam Institute for Climate Impact Research (PIK). (2025). “Planetary Health Check 2025: Seven of nine planetary boundaries now breached — ocean acidification joins the danger zone.” https://www.pik-potsdam.de/en/news/latest-news/seven-of-nine-planetary-boundaries-now-breached-2013-ocean-acidification-joins-the-danger-zone

  6. [6]

    生物多様性条約(CBD):Convention on Biological Diversityの略。1993年発効。生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を目的とする国際条約。

  7. [7]

    30by30目標:2022年12月の第15回締約国会議(COP15、カナダ·モントリオール)で採択された「昆明·モントリオール生物多様性枠組」に盛り込まれた、2030年までに陸域と海域の30%を保護する目標。

    参考:Secretariat of the Convention on Biological Diversity. (2022). “Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework.” COP15. https://www.cbd.int/gbf/

  8. [8]

    UNOC3:第3回国連海洋会議(United Nations Ocean Conference)。2025年6月にフランス·ニースで開催。ブルーファイナンス専用フォーラムが開催され、海洋分野への資金動員が議論された。

    参考:https://www.un.org/ocean

  9. [9]

    インパクトファンド:経済的リターンと社会的·環境的課題の解決を両立させる「インパクト投資」の理念に基づいて運営される投資ファンド。測定可能な社会的インパクト(影響)を生み出すことを投資目的に含む。

  10. [10]

    公海:いずれの国の管轄権にも属さない海域。沿岸から200海里(約370km)を超える海域を指す。地球の海洋面積の約64%を占めるが、これまで国際的な管理体制が不十分だった。

  11. [11]

    BBNJ協定(公海条約):正式名称は「国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)に関する協定」。通称「公海条約」または「High Seas Treaty」。2023年6月に国連で採択され、2026年1月17日に発効。公海(国家管轄権外の海域)における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を目的とする。

    参考:United Nations. (2023). “Agreement on the conservation and sustainable use of marine biological diversity of areas beyond national jurisdiction (BBNJ Agreement).” https://www.un.org/bbnj/

  12. [12]

    環境DNA:生物が環境中に放出したDNA(糞や粘液、表皮など)を採取・分析することで、その生物の存在や量を把握する技術。海洋生態系の調査において、直接捕獲することなく生物多様性を評価できる手法として注目されている。

  13. [13]

    OIN(Ocean Impact Navigator):海洋分野のインパクトを測定するための国際的なガイダンス。2022年の国連海洋会議(UNOC)を機に、海洋関連の金融機関や投資家が中心となって設立された国際的なイニシアチブ「One Thousand Ocean Startups」の主導のもと開発が始まり、IRIS+を補完する形で海洋に特化した評価軸(海洋資源の持続可能な利用·管理、海洋汚染の削減、生息地の回復·保全、気候変動と沿岸のレジリエンス、社会的幸福と公平性への影響、定性的評価)を提供する。

    参考:https://oceanimpactnavigator.org/

  14. [14]

    IRIS+:グローバル·インパクト·インベストメント·ネットワーク(GIIN)が開発した、インパクト測定のための国際的な標準指標。2009年にロックフェラー財団の支援を受けて設立されたGIINが、インパクト投資の分野で広く参照される評価基準として整備した。

    参考:Global Impact Investing Network (GIIN). “IRIS+ System.” https://iris.thegiin.org/

  15. [15]

    One Thousand Ocean Startups:海洋関連の金融機関や投資家が中心となって設立された国際的なイニシアチブ。海洋スタートアップのエコシステム構築を目指し、OIN(Ocean Impact Navigator)の開発を主導している。

  16. [16]

    Beyond Impact:2017年にクレア・スミス(Claire Smith)が設立した欧州拠点のインパクトVC(ベンチャーキャピタル)。「kinder(よりやさしく)、cleaner(よりクリーンに)、healthier(より健康的に)」を投資哲学の3軸に掲げ、食料・素材・医薬化粧品・海洋バイオテックなどのディープテック領域に約30社近い企業への投資実績を持つ。ETFとVCファンドを合わせた運用資産総額は1億6,000万米ドル超。

    https://beyondimpact.vc/

  17. [17]

    Blue Frontier Fund[BFF]: UMITO PartnersとBeyond Impactが企画を進める海洋特化型インパクトファンド。B2Bフードテック、バイオテックを主とし、サブとしてオーシャンテック、クリーンテック、クライメートテックを投資テーマとし、欧州×アジアのクロスボーダー投資を実現するハイブリッドな運営体制を特徴とする。

    https://umitopartners.com/blue-frontier-fund/

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