【レポート】11/30 SCoP2040「ネイチャーポジティブ・アクティビズムスクール」
2023年11月30日(木)、SCoP2040(鎌倉投信 株式会社と株式会社Warm Heart Cool Headが共同運営)によるネイチャーポジティブ・アクティビズムスクールにUMITO Partners 代表の村上春二が登壇しました。
当レポートでは、村上が登壇したネイチャーポジティブ・アクティビズムスクールの様子をお伝えします。
なお、ネイチャーポジティブ・アクティビズムスクールは、多角的な視点からネイチャーポジティブへの理解を深めることを目的に開催された講座(全6回)です。
詳しくは以下をご参照ください。
【お知らせ】11/30 ネイチャーポジティブ・アクティビズムスクールに代表の村上春二が登壇します。
プログラム
【第6回 ネイチャーポジティブ・アクティビズムスクール(最終回)】
開 場:18:30
開 演:19:00
終 演:20:30
懇親会:20:30〜21:30
ゲスト
・サグリ(株)代表取締役CEO 坪井俊輔氏
・(株)GREEN FORESTERS 代表取締役 中井 照大郎氏
・(株)UMITO Partners 代表取締役 村上 春二
モデレーター
・鎌倉投信(株) 江口耕三氏
・Warm Heart Cool Head 主宰/(株)マザーハウス代表取締役副社長 山崎大祐氏
・パタゴニア日本支社 中西悦子氏
レポート
【第一部】
■ディスカッション
モデレーターの挨拶から始まった第一部。ゲストは第一次産業の各分野を代表するソーシャルベンチャーの経営者3名です。
農業分野からは「農地の見える化で価値を創造する」をミッションに、衛星データとAI技術・区画技術を駆使したデータプラットフォームの構築によってアジアの農業課題解決に挑むサグリ(株)の坪井俊輔氏。林業分野からは「未来の森を、今つくる。」をヴィジョンに、植林・育林に特化した森づくりを行う(株)GREEN FORESTERSの中井 照大郎氏。そして、水産業の分野からは「ウミとヒトが豊かな社会の実現/ウミとヒトのポジティブな関係をつくりだす」をヴィジョンとパーパスに掲げ、海と漁業のサステナビリティを推進する(株)UMITO Partners村上が登壇しました。
各ゲストは自己紹介の後、事業内容や収益モデル、各分野の課題についてプレゼンテーションを行いました。その後にモデレーターを交えたディスカッションが展開されました。
ディスカッションでは、事業とネイチャーポジティブとの関係性について各ゲストが解説。自然界と直接つながりのある第一次産業が生物多様性に与える影響やその重要性について理解を深める対話がなされました。
<UMITO Partners 村上>
「海のネイチャーポジティブという観点では、30by30(※1)がある。30by30において、漁業や漁業者は重要な立ち位置にある。意識や行動次第で、海の守り手になる。」
「30by30では、現在日本の海域の13.3%が海洋保護地域と位置付け、それを2030年までに30%にするとしているが、本質的なネイチャーポジティブを目指すならば海洋保護区の13.3%を30%にするだけでなく、その質を向上するということも大切。」
「海のネイチャーポジティブの実現には、漁業や漁村だけでは解決できない課題も多く、海からの恩恵を得ている全ての企業や消費者がタイアップして取り組む必要がある。こうした取り組みを通じて、ウミとヒトの関係をポジティブにしていくのが我々(UMITO Partners)の役割。」
※1 30by30(サーティーバイサーティー)
ネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を食い止め、回復させる)というゴールに向けて、2030年までに陸と海の30%以上を保全するという国際的な目標。2022年12月の国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択。
【第二部】
■質疑応答
第二部では、スクール受講者とゲストによる質疑応答です。スクール受講者からは次のような質問がゲストに投げかけられ、有意義なセッションが繰り広げられました。
<参加者からの質問>
「(ゲストの皆さんが)農林水産大臣だったら明日何をする?」
「生物多様性を考えながら事業を展開していて、いま一番必要だと感じる“つながり”は何か?」
各ゲストの回答について、参加者は静かに耳を傾けていました。
<UMITO Partners村上>
「漁業の構造的な問題を解決する上で、漁業者の声を公平に聞いた法律の改定、意識の醸成、業種を越えた場作りが必要。農林水産大臣だったらそこからまず取り組みたい。」
「必要なつながりについては2つの視点があり、一つは構造的な問題を解決するためのつながり。それには省庁間の連携・つながりが重要。漁業は国土交通省、農林水産省、安全保障の観点で外務省も関係する。世界の海はつながっているので他国との連携も必要になる。」
「もう一つ、事業としてどういう人とつながりが必要なのかという点については、海の生物多様性を進めていく上では、さまざまな専門家とのつながりが不可欠。日本だけでなく、海外の専門家とも連携して海の生態系を守っていけるようなグローバルチームをつくりたい。」
今回、スクール閉会後には懇親会が設けられ、モデレーター、ゲスト、参加者が交流をする懇親会が行われました。会場ではパタゴニアプロビジョンズのビールが振る舞われ、ドリンクを片手に全ての参加者が思い思いに交流を重ねました。
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