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2023/09/09

【レポート】9/9 〜サステナブルな漁業について学ぶ〜 FOOD&COMPANYが運営する食のコミュニティ『NeighborsCLUB』にて、オンライン・トークイベントを開催(第1回)

FOOD&COMPANYによるコミュニティ型オンラインストアNeighbors(ネイバーズ)が展開する「Neighbors CLUB(ネイバーズクラブ)」。生産者をはじめとする”Neighbors”(隣人)とともに、おいしい学びを追求する食のコミュニティです。

今回、Neighbors CLUBでは、UMITO Partnersがサポートするサステナブル漁業プロジェクトおよびサステナブルに取り組む漁業によって漁獲された水産物3種を販売。その販売に合わせて、生産者と消費者が直接会話し、持続可能な漁業について学ぶオンライン・トークイベントが開催されました。

 Neighbors CLUBとの取り組みについて詳しくは、下記のプレスリリースをご覧ください。

【プレスリリース】
・UMITO PartnersとFOOD&COMPANYが、水産資源と漁業のサステナビリティを調達で応援する企業パートナーとして協業開始。〜おいしい学びを追求する食のコミュニティ「Neighbors CLUB」第一弾の企画において、サステナブルな漁業を目指す生産者と消費者が直接繋がる機会を提供〜

開催背景

「普段オンラインストアでは伝えきれないリアルな生産背景や現場の課題を、作り手、売り手、買い手など様々な立場の人が、たのしく、おいしく学ぶ場所をつくりたい」というNeighborsの想いからスタートした「Neighbors CLUB」。そうした場の創出を目指して企画されたのが、サステナブルな漁業に取り組む生産者の水産物の定期購入便とセットになった今回のオンライン・トークイベントです。漁業の持続可能性とは何かについて、生産者と消費者との対話を通じて学び、考える機会として開催されました。

イベント プログラム

開催日時:2023年9月9日(土)18:00〜19:30

ナビゲーター:FOOD&COMPANY/盛岡絢子さん
ゲスト:北海道根室・漁業者/横田和馬さん
パートナー:UMITO Partners/岡本、岩本

第一部:海と漁業の現在地を知る(UMITO Partners)
第二部:しまえび漁師・横田和馬さんの取り組みについて(横田和馬さん×UMITO Partners)
第三部:質疑応答

開催レポート

Neighbors CLUBが提供する「サステナブルシーフードの定期便」は、サステナブルな漁業を目指す漁師さんたちから新鮮な海の幸(北海道根室 しまえび/北海道苫前 ミズダコ/東京湾 すずき)が毎月1種類届く、食の体験型プログラムです。
今回は、サステナブルシーフード定期便の第1弾・しまえび(北海道根室)の漁師さんである横田和馬さんをゲストに迎えて、トークが繰り広げられました。

※ご要望にお応えして、現在は各シーフード+イベントごとでの販売開始も予定しています。

第一部

第一部では、UMITO Partnersが『海のいま:水産資源の現状と漁業の実態』をテーマに、海洋環境や水産資源の現状などをスライドショーで解説。持続可能な漁業に不可欠な資源管理のことや、国際的に問題視されているIUU漁業(違法・無報告・無規制の漁業)にも焦点が当たりました。

UMITO Partners 岡本:

  • 世界的に、漁獲され過ぎている魚種が増え続けており、これらの魚種に関しては資源が不健全な状態(魚の数/量が自然に回復する速さより、漁獲される数/量・速さが上回ってしまっている)。それ以外に、データ不足で資源状態が不明な魚種もたくさんあり、資源管理を適切に行っていくことが必要。
  • 資源管理を難しくしてしまっているのが、IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)の存在。IUU漁業の問題の一つに乱獲(獲りすぎ)や、資源評価を困難にする無報告の漁業などがある。
  • また、IUU漁業等により、非正規な時期や価格で取引される水産物が出回ることで、ルールと資源を大事にしながら漁業をする漁師さんたちが、不公正な競争で負けてしまっているという問題もある。

第二部

第二部では、北海道根室・しまえび漁師 横田和馬さんを中心にトークが展開。最初の話題は、横田さんがオススメする“しまえびのおいしい食べ方”です。

FOOD&COMPANY 盛岡さん:

横田さんのしまえびをいただいたのですが、味が濃くてびっくり。えびの旨味がギュッと詰まった味わいで、塩気もあるのでおつまみにも最高。トマトソースでパスタを作ったという人もいました。

横田さん:

(ボイルしたしまえびを)冷凍にしてあるので、まずは、そのまま解凍して食べていただければと思います。残ったえびの頭は味噌汁にしたり、片栗粉をつけてカリカリの唐揚げにしてもおいしいですよ。

参加者のなかには、今回のイベントに合わせて(横田さんの獲った)しまえびで食卓を彩り、トークセッションを聞く人の姿も!ほかの参加者からは「おいしそう〜!」との声があがり、会場は和やかな空気に包まれました。

その後、話題は、サステナブルな漁業を目指す横田さんの取り組み、漁をしていて感じる海洋資源や環境変化のことに移ります。皆、真剣な面持ちで横田さんの話しに耳を傾けていました。

横田さん:

  • 道内でも今まで獲れていた水産物が獲れなくなっているという話を聞く。個人的には資源の枯渇に対する危機感をすごく持っている。海水温の変化の影響か、しまえびも今までとは異なる場所で獲れるようになった。
  • サステナブルな漁業の第一歩として、資源管理という部分では、しまえびの漁獲データを記録するなど、自主的な資源調査に取り組んでいる。水産資源の枯渇に危機感を持っていても「何をやっていいのか分からない」という漁師もいる。まずは自分が何か一つ形に残して、漁師の意識が変わるきっかけとなりたい。
  • (水産物が)獲れなくなってしまってからでは手遅れ。漁業は食を支えるだけでなく、地域経済も担っており、漁業の衰退は地域社会の衰退につながる。地域ではすでに若い漁師も減っている。今、やれることがあるなら、やるべきだと思っている。

UMITO Partners 岩本:

水産資源が減少していると聞いて、おそらく皆さんは「魚を獲らなければいい」と思うかもしれない。獲るor獲らないではなく、資源が減らないように管理していくのが資源管理の考え方。海は世界とつながっているので、横田さん一人が行動しても、皆でやっていかないと目的が達成できない。ぜひ、皆さんの力をかしてほしい。

第三部

イベントの終盤となる第三部では、質疑応答の時間が設けられました。
参加者からは「スーパーで並んでいる海産物のうち、IUU漁業で獲れたものを見分ける方法を教えてほしい」「将来の目指すべき姿とは?」といった質問が投げかけられました。
また、『今回のトークセッションを通じて、漁業の現状を知る貴重な機会となった』『サステナブルシーフードを購入することで応援したい』などの感想も寄せられました。

横田さん:

僕が目指すべき姿としては、若手の漁師が増え、その漁師たちが(無闇に漁をしなくても)十分に生活が成り立つような漁業になること。さらに、水産資源も増えていく。その両方を同時に実現していくのが、目標です。

UMITO Partners 岡本:

実は消費者って、社会を動かすすごいパワーを持っていると思う。エシカル消費、つまり、多くの消費者がサステナブルシーフードを選ぶようになると、サステナブルな漁業や漁師さんが増えていく。それが海洋環境を改善していくことや、地域を元気することにもつながる。一人一人の行動には、すごい価値がある。

そして最後に、皆で記念撮影。「しまえび、おいしい!しまえび、食べたい!」という気持ちを参加者それぞれに表現してもらい、たくさんの笑顔でトークセッションが終了しました。


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