【レポート】10/20 〜サステナブルな漁業について学ぶ〜 FOOD&COMPANYが運営する食のコミュニティ『NeighborsCLUB』にてオンライン・トークイベントを開催(第3回)
FOOD&COMPANYによるオンラインストアNeighbors (ネイバーズ)が展開するコミュニティ型オンラインストア「Neighbors CLUB(ネイバーズクラブ)」。生産者をはじめとする”Neighbors”とともに、おいしい学びを追求する会員制の食のコミュニティです。
今回、Neighbors CLUBでは、UMITO Partnersがサポートするサステナブル漁業プロジェクトおよびサステナブルに取り組む漁業によって漁獲された水産物3種を販売。その販売に合わせて、生産者と消費者が直接会話し、持続可能な漁業について学ぶオンライン・トークイベントが開催されました。 Neighbors CLUBとの取り組みについて詳しくは、下記のプレスリリースをご覧ください。
【プレスリリース】
・UMITO PartnersとFOOD&COMPANYが、水産資源と漁業のサステナビリティを調達で応援する企業パートナーとして協業開始。〜おいしい学びを追求する食のコミュニティ「Neighbors CLUB」第一弾の企画において、サステナブルな漁業を目指す生産者と消費者が直接繋がる機会を提供〜
開催背景
「普段オンラインストアでは伝えきれないリアルな生産背景や現場の課題を、作り手、売り手、買い手など様々な立場の人が、たのしく、おいしく学ぶ場所をつくりたい」というNeighborsの想いからスタートした「Neighbors CLUB」。そうした場の創出を目指して企画されたのが、サステナブルな漁業に取り組む生産者の水産物の定期購入便とセットになった今回のオンライン・トークイベントです。漁業の持続可能性とは何かについて、生産者と消費者との対話を通じて学び、考える機会として開催されました。
イベント プログラム
開催日時:2023年10月20日(土)18:00〜19:10
ナビゲーター:FOOD&COMPANY/盛岡絢子さん
ゲスト:千葉県船橋市 漁業者/大野和彦さん(大傳丸・海光物産株式会社)
パートナー:UMITO Partners/岡本
第一部:海のいま ※前回までのおさらい(UMITO Partners)
第二部:東京湾スズキ漁業者・大野和彦さんの取り組みについて(大野さん×UMITO Partners)
第三部:質疑応答
レポート
Neighbors CLUBが提供する「漁師さんから海の幸をお届け!サステナブルな海の魚と食を学ぶ3ヶ月定期便コース」は、サステナブルな漁業を目指す漁業者たちから新鮮な海の幸(北海道根室 しまえび/北海道苫前 ミズダコ/千葉県船橋 すずき)が毎月1種類届く、食の体験型プログラムです。
第三回目のオンラインイベントは、東京湾のスズキ(千葉県船橋市)の漁業者である大野和彦さんをゲストに迎えて開催されました。
第一部
第一部では、第一回目と第二回目のオンラインイベントでお伝えしてきた『海のいま』についておさらいし、大野さんがUMITO Partnersとともに取り組んでいる千葉県船橋市 東京湾スズキ まき網漁 サステナブル漁業プロジェクトについて紹介しました。
UMITO Partners 岡本:
- 色々な現場とともにUMITO Partnersが取り組んでいるサステナブル漁業プロジェクトは、漁業者、科学者、地域関係者、流通企業などと一丸となってサステナブル漁業を目指し、計画的に課題解決に取り組むプロジェクト。
- 地域を良くして、漁業が生体系・生息域に与える影響を軽減、海の健全性を守りながら、未来に残せるように漁業をしていこうというもので、大野さんとも一緒に取り組んでいる。
第二部
第二部では、千葉県船橋市(東京湾)のスズキ漁業者・大野和彦さんのこと、大野さんが提供するスズキの特徴、おすすめの食べ方について紹介。大野さんが取り組むサステナブル漁業プロジェクトについても話しが及びました。
東京湾スズキ漁業者 大野さん:
-
【良い漁師とは】
- おじいさんの代から東京湾でスズキ漁をしており、おじいさんの格言は「良い漁師は、少なく(魚を)獲って高く売る」。水産資源を枯渇させず、漁師の暮らしを守る考え。この格言がサステナブルな漁業に取り組む背景となっている。
- 漁獲したスズキの体長を計測するなど、以前から自主的な水産資源管理には取り組んでいたが、2020年東京オリンピック開催を機に、漁業を一層サステナブルにしようと「千葉県船橋市 東京湾スズキまき網漁 サステナブル漁業プロジェクト」を開始した。
- 自分たちが漁獲したスズキの一部は「江戸前船橋瞬〆すずき®(※千葉ブランド水産物認定品)」として流通している。漁から流通まで自分たち(海光物産)で行っている。「江戸前船橋瞬〆すずき®」は、漁獲した新鮮なスズキの血抜きをよくしてから神経を抜いており、旨味が強いのが特徴。千葉県の水産総合研究センターでデータ取りをしてもらい、科学的にもおいしさが証明されている。刺身もおすすめだが、天ぷらもふかふかとした食感、油との相性も良いのでフライにも良い。スズキは火を通してもおいしい。
- 大量に漁獲して利益を得る漁業ではなく、瞬〆という技法を用いて、魚本来の価値を最大限に引き出し、量より質で稼いでいくところに重きを置いている。質の高いスズキを求めるシェフの方々とつながることで、正当な価値でスズキを提供。
- 漁業を持続可能にするために、賛同してくれるパートナーとともに海光物産(株)を設立し、漁業者との雇用契約や福利厚生をしっかりした。座学などを通して、漁業者の意識改革にも取り組んでいる。漁業者の働く環境を整え、意識を変革していくのも漁業を持続可能にすることになる。漁業は自然相手だから生活が不安定という印象が強い。だからこそ安心して働ける環境作りに力を入れている。
- 未来に向けて注力していることが、こども向けのワークショップ。こどもたちに漁業への関心を高めてもらうことが、次世代に漁業をつなぐことにもなる。
- 消費者の皆さんには、この魚はどこで漁獲されていて、いつが旬なのかなどを考え、海に思いを馳せながら魚を食べてほしい。日本人にとって魚は大切なタンパク源。食糧として重要なだけでなく、食文化の継承も担っている。
【サステナブル漁業プロジェクトをはじめたきっかけ】
【江戸前船橋瞬〆すずき®】
【持続可能な漁業の環境づくり】
【次世代に漁業をつなぐ】
第三部
第三部では、大野さんの話しを聞いた参加者から、さまざまな感想が語られました。
- 大野さんのお話しを聞いて、「江戸前船橋瞬〆すずき®」を食べるのが楽しみになった。「安心・安全・おいしい」という価値を、世代を超えて継承する取り組みは素晴らしいと思う。
- サステナブルというムーブメントのなかで、そのムーブメントを本当に歩むことが大事だと思う。普段の暮らしのなかで自分は何ができるのか?自分自身は、普段食べている魚や野菜、調味料を変えてみたり、そういうところで着実にサステナブルに貢献したいという思いがある。個々人ができることを体現することが重要だと思う。
- 子どもたちが(大野さんのスズキを)食べて、海を守りたいと思えることが理想的。そういう活動を広げていってほしい。東京湾を中心に、そういう漁業者さんが増えていくことを願う。さらに、そういう漁業者の方々が漁獲した水産物を、普段利用しているお店で買えることも嬉しい。
以上をもって、第三回のオンライン・イベントが終了しました。
今回でオンラインイベントは最終回を迎えましたが、サステナブルな漁業を目指す人々の物語はこれで終わりではありません。海と漁業のサステナブルを大切にする方々とともに、UMITO Partnersの取り組みは続いていきます。
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